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スタッフ通信
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VOL.69 2012/09
情報共有
飲食店を繁盛させたいなら、絶対に行わなくてはならない事のひとつに、私はいつも「情報共有」をあげます。繁盛する飲食店は「情報共有」がきちんと出来ている。そして「情報共有」が出来ていない飲食店は絶対に繁盛しない! これが私の持論です。
「情報共有」とは、簡単に言うと、みんなの出来事をみんなで知ろう! って事です。とってもわかりやすいこの事が出来るお店は、すべてに対してうまく回ります。逆にこれが出来ないお店は、いつもなんだか、ぎこちなくなります。
例えばお客様の様子です。あのテーブルの女性は寒がりです。あのカップルはいつもあの料理を好みます。代行を待っている顧客は誰で、会計は済んでいるのか、などと、お客様の特徴や様子を知っているスタッフがこれを「情報共有」しなければ、他のスタッフはそれを知りませんから、事はうまく運びません。もしきちんと「情報共有」されていると、ひざ掛けを持って行く。代行が到着したからお知らせする。どうですか? そんなささいな事からすべてがうまくいくのです。
情報の共有は他にも、店舗の運営に大きく影響します。今日は何をおすすめすべきなのか? 外は雨が降っているのか? 最終電車は何時なのか? 開店して何年目なのか? トイレは今あいているのか? 等々・・・。知っているか知らないかで顧客の受ける反応は違います。基礎データを事前に新人スタッフに教えるリーダーと、まったくそんな努力をしないリーダーでは、顧客が感じる店舗に対する信頼度は違うのです。
「情報共有」は、ネガティブな事にも威力を発揮します。前にビールをこぼしたお客様だ! メガネを忘れたお客様だ! など、過去の失態や失敗について、もし他のスタッフと「情報共有」をする事が出来れば、事前にこれに対する対応をすることが出来ます。
「あの時は本当にすみませんでした!」などと、再度、お客様に謝罪し、何かサービスのひとつでもしてみてください。顧客はどんな風に感じるでしょうか? 前に受けたミスをしっかり覚えててくれたんだ。そしてわざわざサービスまで・・・。ある種の感動を顧客はきっと感じるでしょう。ミスや失態を犯したのは私たちなのに、顧客は私達を好意的に受け入れてくれるという、実に奇妙な現象が発生するのです。このように見事なリカバーをするには情報の共有が重要なのです。
たった一人の情報は実に少ないものです。でも、その一人一人の情報を寄せ集めたら、大きな力となってお店が繁盛する事に貢献してくれます。そしてその為にあらゆる情報を寄せ集める事、これが情報の共有です。
情報共有はある程度システム化が必要です。例えば、お客様ノートに顧客の特徴や好みや出来事などをつづっておいたり、連絡簿に共有するべき情報を羅列系に書き込んだり、時として営業中などは情報を集約するリーダーを決めて運営したり。インカムなどの一気伝達の電子機器を利用するなどです。しかしただ情報の共有と言っても、いかにしてこれを共有するのかは、その店のしくみや内容によってマッチしたりしなかったりします。だからうまく情報の共有が出来るかどうかは、店舗のリーダーの采配によって変わってくるのです。さらに店舗の戦略をスムーズに実行できるかどうか、それも情報の共有にかかっています。優れた戦略や作戦を考えるリーダーであったとしても、情報の共有が出来ない場合は、実行されるに至らないので、ほとんどの場合は失敗します。情報共有の不備から、実行行動が中途半端だったり、抜けがあったりして、実にドンくさい事になるのです。たかが情報、されど情報。アナタのお店は情報の共有、うまく出来ていますか?
人の怠慢を嘆くのは、己の怠慢だ
ファミリーマート社長 上田準二