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スタッフ通信
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VOL.57 2011/09
少数派の声に見るチャンス!
世の中にある、様々な意見は、いつも少数派と多数派に分けられます。そして少数派の意見は無視され、ないがしろになってしまいがちです。悲しいことですが世の常です。
ここで重要なことがあります。それは少数派の意見は、実は、本当に少数派であるかどうかは、わからないって事です。なぜなら、少数派の意見に耳を傾ける場合が非常に少ないので、そのまま世の中の隅へ隅へと消えていくことが多く、その全容に目を向けないことがしばしばだからです。実はここに私達の失敗が隠れています。
少数派の意見は、その背景に、多数派である場合を時としてはらんでいます。これを見極める事ができるかどうかは、仕事をする上で重要な問題です。そして、これを見極められたお店や人は、いつも良き結果を残し、未来をつくることができるようになるのです。
少数派の意見の奥に潜んだ、多数派の影。とでも言っていいでしょうか。
逆に、少数派の意見を多数派と勘違いしてしまうと、痛手は大きく、失敗し、ひどい汗をかくことになってしまいます。私も人生の中で何度もこれを味わいました。
理想で言えば、少数派の声に耳を傾けることは重要です。個別に、個人の意見に耳を傾けることにより、得られるものはとっても大きいからです。しかしこれには限界があります。出来ることの限界があり、リスクも大きいってことです。
お店が勝ち残っていくためには、少数派の意見から見る、多数派の要望に耳を傾ける。これが実に重要で、効率的であると言えるでしょう。
では、私たちの仕事である飲食店にこれを置き換えて考えてみましょう。
ある時、お客様が発したその言葉が、少数派の意見であるのかどうか?
たとえば「お料理のボリュームが多すぎるので、少なくして値段を下げたメニューにしてよ」と、お客様。これを聞いたアナタは考えます。はたしてこの意見は、多数派か、少数派か!? その奥に潜んだ実態はいったいどちらなのか?
もしこの意見が多数派なら即座に対応するべきだ。しかし、もしも少数派なら、今度は「料理の量が少ないよッ!」とクレームが頻発しかねない・・・。難しいところです。
少数派の意見はキラリと光る金脈かもしれません。がしかし、金によく似た価値のない雲母かもしれない。ただし、この時、絶対に忘れてはならないことがあります。それは少数派の意見は、だいたいにおいて、勇気と確信をもった意見の場合が多いってことです。
周囲がなかなか言わないことを言葉として発する時、人はある種の、信念や、勇気や、警告や、確信、のようなものを持っている場合が多いってことなのです。
少数派の意見をないがしろにすることは、実は多数派の意見や要望を、無視することになる場合が時としてある。そして同時に重要なことは、たとえその意見が、少数派であったとしても、ここから学べることは、実はたくさんあるってことなのです。
人はね、自分にとって興味がなく、どうでもいいことに対して、意見を言ったりはしません。お客様は、自分にとってどうでもよくて、興味のないお店に対して、意見を言ったりはしないのです。その意見が多数派だと感じれば、ことは重要です。また、たとえ少数派であるとした場合にも、これを大切にし、ここから拾い出すことが出来るヒントを獲得するのです。それはやがて、ニーズ(要望)の開拓となって、見事に花が咲くでしょう。
少数派として、人が人に意見を言うということは、それだけ勇気のいる行為。これを決してないがしろにしてはいけません。これをないがしろにする者に前進はありません。世の常はいつもこれを忘れてしまう。だからいつも失敗をしてしまう。悲しいことです・・・。
少数意見を言う人は、かなりの、勇気や、確信を、持っているはずです。それに耳を傾けるべきです。キッコーマン名誉会長 茂木友三郎