スタッフ通信


VOL.53 2011/05
集団的イメージ
 突然ですが、アナタは他の人から、どんな風に見られていますか? いい人に思われたい。綺麗でいたい。明るい人だと感じてもらいたい等々。他の人からどのように見られたいのか、その理想ってのが人にはそれぞれあると思います。
 人はね、いつも人から見られるイメージってのを気にします。しかし実はイメージってやつは、そんな個人のイメージとは別にして、集団に依存するイメージってものがあるのです。これが集団的イメージです。
 アナタが考える集団的イメージは、いつも、アナタの消費活動を左右します。この企業はいいイメージがある。だからこの企業の商品が好き。ゆえにこの商品を買う。
 つまりイメージとは、人が人に抱く感情と同様に、企業や、集団や、チームなどに対しても抱いているのです。そしてイメージとは、積極的なアプローチ(行動や動作や買う買わないなどの活動)を行うかどうかの、絶対基準となっている事が実に多いのです。
 集団的イメージはいったん固まると、これを上昇させることは非常に困難です。
 アナタはマクドナルドに対してどんなイメージを持っていますか? ガストは? 吉野家は? はたまたアナタ自身が働くそのお店は?
 では、イメージとは、そもそも、どのような作業で定着していくのでしょう。
 それはね、アナタが自分の見た目や、性格や、個性などを、日々、気にするように、企業やチームも同様で、ひとりひとりの個人イメージの集合で決定されていくのです。つまりアナタ、そしてアナタの同僚など。その集団に位置する、ひとりひとりの、イメージの寄せ集めが、全体像として、じんわりとした時間とともに、形成されていく。
 イメージは時として、やがて信用となり、信用が積み重なって、ブランドとなります。
 そしてその成り立ちは、立派な会社や、有名なチームであっても、ひとりひとりのイメージの集合体から成り立っているのです。これが集団的イメージってものなのです。
 全体像の中にあるアナタひとりのイメージなんて、たかがしれていると考えるかもしれない。でもね、それは実は大きな間違いです。イメージの積み重ねとその形成はね、実はアナタなのです。アナタと、アナタの横にいるスタッフと、そのまた横にいるスタッフ。そんなひとりひとりのイメージの集合体が、集団やチームのイメージの源なのです。
 なのに、人は、個人のイメージと、集合体のイメージとを、別にして考えがちです。私のイメージとお店のイメージは別だと・・・。いいイメージの集団の中に位置する時、個人のイメージも同時に上昇するのに、人は個人のイメージと集団のイメージを切り分けて考えてしまうのです。
 繰り返します。集団のイメージとアナタ個人のイメージは同一なのです。なのに、人はいつもこれを切り分けて考える。実はこれが人の悲しい性質で、自分を擁護したり確立させようとするあまり、人は集団の中に位置する時、集団のイメージの中に存在する自分のイメージを、分離させようとするのです。少し難しいかな・・・。
 自分のイメージを向上させる為には集団のイメージを上昇させる。集団のイメージが上昇すれば、個人のイメージがまたあがる。この方程式がわかっているようでわかっていない。実はこれが人の悲しいからくりでもあるのです。
 集団的イメージ。アナタの属するお店のイメージを作るのはアナタです。どうせ生きていくなら、いいイメージの集団の中で、自分のイメージを最大限、向上させたいものです。 

大きい声を出して、いつも元気に、心からニコニコしていれば、世の中、たいていのことはうまくいきます       樋口廣太郎(アサヒビール名誉会長)

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