スタッフ通信


VOL.52 2011/04
「悩む」ということ
 誰だって「悩み」はありますよね。そのスタッフも、とある悩みを抱えていて、随分と自分の中で苦しんでいました。そこで、私はそのスタッフと共に「悩む」と言う言葉について考えてみる事にしました。2年程前の話です・・・。
 言葉の持つ意味を少しでいいから考えてみると、今までわからなかった事や、理解できなかった事を知ることができると私はいつも思っていたので、いっその事、悩みや、悩むという事とは、いったいどういう現象なのか・・・。そんな事をそのスタッフと考えてみる事にしたのです。すると、こんな事がわかってきました。
 悩むということは非常に複雑な作用のように思いがちですが、実はそうではなく・・・、
 悩みとは、---- 自分の中での理想と現実とのギャップ ---、でしかない。と言う事になったのです。そして悩むという行為はこの1点以外に他はないって結論に達したのです。
 どうでしょう。アナタにも悩みはあると思います。そしてその悩みとは、いつもこの1点ではないでしょうか? あの子と私ではかくもどうしてこんなに違いがあるのだろう? 自分はこうありたいのにどうしてそうならないのか? この子はなんでこうなのか私の理想形はこうなのに? 
 悩みとは、他者と自己との差。自分の理想形と今の自分の状況や環境とのギャップ。
 悩みとはすなわち、自分に持っていない事や物や環境を求めて苦しむということ。
 悩むということは、何とかそれを埋め合わせ、自分の理想形に近づけたいという思い。
 つまりこれらそれらはすべて、---- 自分の中での理想と現実とのギャップ ---、なのです。
 人はね、一見すると非常に単純な事を、複雑に見よう考えようとします。
 悩みはその典型的な例です。実はとっても単純な事なのに、極めて複雑に考えようとして、心が痛み、苦しみ、涙を流し、死んでしまったりもする。それは人が人である証拠であり、人のみが神から与えられた特権。だから故に苦しいし、やっかいだし、面倒だ。でもね、悩むということは、人としての醍醐味でもあるのです。
 人が人として、もし悩みの中にあるというのなら、それは、成長の兆しであり、自己の欠損部分を補おうとする行為そのものなのです。だからその悩みに押しつぶされないで欲しい。大切な事は、複雑に見えがちなアナタのその悩みを単純に分析し、成長や欠損の補い行為をする為には一体、何をすればいいのかを考えるべきなんじゃないかと思うんです。
 つまり、悩むという行為に囚われ縛られるのではなく、それから解放される為には、いったいどんな順序で、何をするべきなのかが大事であり、何をするべきかを考え、それを実行する事が、悩みの淵から解き放たれる大切な事なのだと思うんです。
 ああなって欲しいこの子あの人。こうありたい自分。であれば、それを実現する為には一体どうすればいいのか? その方法でダメなら別の方法を考えてみて実行してみる。それでもダメな場合には、気持ちを切り替えて、「あきらめる!」
 悩みを悩みとして持ち続ける事ほど苦しいものはありません。そして人はその悩みが克服できないと知った時、心、精神、の安寧の為に、「あきらめる!」のです。
 悩みの克服方法としてこれもまたひとつの方法。大切な事は、悩みを単純に分解し、克服する順序を考えて実行し、無理なら、たまには、さらりと、「あきらめる!」。
 時としてそんな気の抜け方も、生きていく上においては、とっても大切な事なのかもしれませんねぇ。

急いでも仕方がない。寝ころんで待つのが第一だとアッシは思っていまさぁよ  勝海舟

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