スタッフ通信


VOL.41 2010/05
ファサード 〜facade〜

 飲食店が繁盛する最低要因のひとつに『ファサード』ってのがあります。
 なんだそれ? ホント・・・、突然なんだよって感じですよね。ではわかりやすく・・・。
 ファサードってのは元々はフランス語で、建物の正面とか主要外観の意味です。私の友人の建築家に聞くとフェースライン(顔の形や線形)などとも言うそうです。つまりわかりやすく言えば、お店の顔や醸し出す雰囲気って事になりますかねぇ。
 では、このファサードが、どうしてお店が繁盛する最低要因として重要なのでしょうか? 
 そもそも飲食店ってのは、食べ物だけではなく、空間や、笑顔や、元気を提供する場所です。入ってみないとわからないからこそ、お客様のお店に対する警戒心ってのはいつの時代も半端なものではありません。よって、どうしても飲食店の選別は入る前の外観や様相や様態、つまりファサードに左右される部分が大きいって事なのです。
 んじゃぁ、一体どんなファサードだったらいいの? そうですよね。もっともな意見です。ここで重要になってくるのは、お客様はファサードのデザインだけをみて店を選別しているのではないって事です。しかもデザイン性ってものは重要ではあるが、初回来店時の『まやかし』でしかありません。つまり何度も来店されているお客様にとっては、ファーストデザインは小手先技のまやかしなので通用しないって事なのです。
 では、理想的なファサードとは・・・。その、あるべき状態とは一体どんな事なのでしょうか? 私が考えるそれは、つまりは・・・、【−心配り−】です。うーむ、なんのこっちゃ? ファサードのデザイン性ではなくて、心配りが重要とは・・・? 私は真剣に、【心配り=良好なファサード=繁盛店】理論を信じています。
 現在の飲食店の多くは、ファサードのデザイン性を重視すれば、繁盛すると勘違いしています。しかしそれはてんで馬鹿げた話です。おしゃれなファサードでも繁盛していないお店なんて、掃いて捨てる程この世の中にはある。またおしゃれではないのに抜群に繁盛しているお店も山ほどある。その違いはなんでしょう?
 本当の意味での優れたファサードとは、デザイン性だけではなく、店主やそこで息づくアナタの思いが、はっきりと見えるかどうかなのです。つまり【心配りの表現方法】がどんな風に叶っているかどうか。実はこれがとっても重要なのです。
 大切なあの人が来る! 今日の私は良く思われるだろうか? いい店だと感じてくれるだろうか? 楽しんでくれるだろうか? また会いに来てくれるだろうか? アナタはきっとそんな風に思うはずです。そしてそんな時、想像してみてください。アナタのお店のファサードを・・・。ファサードとはアナタの姿形です。身だしなみやお化粧をどんなに確認してみても、ファサードが優れたもので無ければすべて意味のない無駄な事なのです。悲しいけれどこれが現実です。
 アナタの心配りはしなびていませんか? 大切な人は入る前から不安になっていませんか? 良いファサードはいつも新鮮です。そしていつも手がかかっています。絶えず清潔です。繁盛するお店、それはいつの時代でもファサードが優れています。そしてそれは、いつの時代でも、笑顔のアナタが、外側のお客様から不思議と見えるものなのです。
 アナタのお店、本当に大丈夫ですか? そのファサードはアナタ自身です。アナタの大切な誰かはいつもアナタの事を気にかけています。アナタの姿形は大切なあの人の事を心から気にかけていますか? 鏡を見る回数と同じくらいにファサードを確認してみた事がありますか? アナタはいつも美しい。かっこいい。でも、そのファサードは・・・!?

未来への希望を失うと人生はいつも退屈になってしまう ベティ・デイヴィス(女優)

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