■■■■■
スタッフ通信
■■■■■
VOL.29 2009/05
新規来店要因を考察してみよう!
あの店に行きたいッ! あの店に行こうよッ!
つまりお客様がその店に来店したいって思うその理由って一体なんなのでしょうか? とある新人スタッフから受けた純真な質問です。
ここでいうそのお客様とは二分化されます。いわゆるまだ一度も来店経験のない新規客か、はたまた既に来店がある既存のお客様か。顧客はなぜその店に行こうとしたのか、または来店しようと思ったのか? ビジネスをする以上、永遠のテーマといえるでしょう。
そして私の個人見解・・・。今回は、新規顧客はなぜに来店をするのか・・・?
お客様がその店に行く理由は多々あります。しかし新規にまだ一度も行った事のないお客様がその店に行く理由の最大は、「親しい人からの口コミ」にあります。実はこれは一般のビジネスにも該当する事ですが、飲食業の場合にはこれが顕著に表れます。
つまり、価格が安くてもいい店とは限らない。そして立地や商品が良くてもいい店として確定しない場合もある。これが飲食業が持つ厳しい特性であり、また他の物販業が持つ特性と大きく異なるところなのです。
親しい人からの口コミ・・・。「あの店よかったよ」「あの店いい感じかも」「今度いっといでよ」何事もない日常の会話です。これは一見すると大しておおきな会話ではないように思いがちですが、実はこの日常の会話のなんと恐ろしい事か・・・。そして実はこの日常会話がもっとも重要な新規来店動機のほとんどなのです。
飲食業は広告によって来店を誘発する事が出来るか? これもNOです。いくら広告を打ってもその広告費用と来店頻度と数が比例するかと言うと決してそうはなりません。
飲食業は甘いビジネスではありません。広告ボリュームがダイレクトに来店動機につながらない。しかし自分の店を認知してもらい足を運んでもらいたい。その為には広告を利用して知ってもらわねば・・・。この安易な考え方のジレンマに入った途端に飲食ビジネスは苦戦を強いられる事になるのです。
そして冒頭の質問。新規のお客様がその店に来店したいって思う理由って一体なんなのでしょうか・・・? 新規来店のその動機と要因を詳しく分析し、結果として導いていく為には、飲食業における広告とは一体なんなのかを考えねばなりません。
飲食業はたった3割のお客様で8割の売上を占めているとよく言われます。そしてこれは一体何を指しているのか? 繁盛している店はいつも常連様で溢れています。そしてその常連様は何回かに一度、新規のお客様も連れてきます。そうなのです。口コミによる効果が一番の来店動機とするならば、本来あるべき広告費の使用使途とは、実はこのお客様にかかるべきものなのです。この意味が理解出来ねば決して繁盛店を創造する事は出来ません。逆を言えば繁盛店の創造は決して難しいことではないのだと言うことです。
将来独立を目指す人。今の店を繁盛させたい人。もっとたくさんのお客様に来店して欲しいと思う人。どうかどうか、そんな人ならば、飲食業というものについて、より深く考察してみて欲しいのです。何事も追求すればそれはそれ、実に面白く愉快な事で、思考には際限などないものなのですから。
お客様がその店に来店したいって思うその理由? たったこれだけのテーマで朝まで語りあった昔が私にはあり、そんな激論を交わした仲間が今も私と共にある事に、なんだか涙がこぼれた仕事終わりの雨の夜道でした。新人君、私を新鮮な気持ちにさせてくれてありがとう。これからもどんどん純真で素直な質問を待っているよ!
疲れたら休むがよい。彼らもまた遠くは行くまい・・・。 ツルゲーネフ