スタッフ通信


VOL.17 2008/05
繁盛店と不振店

 最近の外食を取り巻く環境は極めて厳しいものがあります。穀物や重油の高騰を始めとした食材の値上がり。相変わらず中国製品の食に対する不信感。最近ホットなものと言えば船場吉兆の使い回し問題。その他にも道交法の更なる厳しい改正など。今や飲食店に対するお客様の信頼は低下し、まさに飲食業界の冬の時代のような感じとなっています。思えば外部にネガティブな要因を求めると、この業界ってのは枚挙の暇もありませんし、消費者にとって一様に外食というものに対する消費欲が減退していることも確かです。しかし、しかしです。都会でも田舎でも繁盛店といわれる店が存在することもこれまた事実です。当社グループ店にもそれはあります。
 ではなぜに繁盛店とそうでないお店との差が生まれるのでしょうか・・・。
この違いは非常に難しいように見えて実は簡単です。長きに渡り営業を行っている繁盛店には実に共通した項目が挙がってきます。第一にそれは人です。繁盛店で働く人、つまりスタッフはすべてにおいてキチンとしています。ルールを守りチームワークがとても強固です。そしてその集団(チーム)は常に多くの人が積極的であり行動的です。例えば繁盛していない店には愚痴をこぼすスタッフが必ずいます。そしてその比率は次第に増加し、気付けば愚痴ばかりが蔓延するお店となっています。またそのスタッフはいつも後ろ向きなので、他のスタッフに対してマイナス因子になる場合がよくあります。こうなると頑張ろうという意欲そのものが湧き出てこない集団となるのです。
 また繁盛していない店は言い訳が多いです。それは責任転換や回避につながり結果に結びつきにくい悪い素因が作られます。自店の不振を外的要因のせいにしてみても何の解決にもならないのです。
 次に繁盛していない店に多くある事例は、行動することが少ないです。みな一様にすべき事は知っている。ああすれば良いのに。こうすれば繁盛するのに。だいたいはわかってはいるのです。でもそれだけで終わり、決して行動や実行に結びつかないのが不振店の典型的な例です。こういった場合にはどんなにいい商品やシステムや立地をもっていてもなかなか結果につながりません。
 2-2-6の法則ってのがあります。集団はおおむねこの法則の中にあります。つまりとある集団(チーム)を10として分解すると、積極的な2の部類。だいたいにおいて風見鶏(かざみどり)的な6の部類。そして、あまりというかいつも頑張らない2の部類に分解されるのです。そして集団はこの両極の2の部類のパワーバランスで決まります。今そこに存在する6の部類をどちらの2の部類に引き込むか。これがその集団の結果結論や幸せに大きく影響するのです。6の部類は両極の2の力加減をみて自分の立ち位置を変化させます。頑張る集団に引き込まれた6の部類の力。これが加わると繁盛店成立としての下地はかなり強力なものになります。その逆のこれまた悲しきこと・・・。
 皆さんは自分がどの部類に属していると思いますか? またお店はどちらの力が大きいと思いますか? もしあなたの店が不振店特有のネガティブな要因を秘めていなければ、近い将来に必ずいい結果が出ることでしょう。
 どうせなら上へ上へと成長してもらいたいものです。人は労働やその集団の中で成長し進化するのです。あなたの店はそういった素地がありますか? またその素地を作ろうと行動してみてください。それは自らの成長に最も大きく働きかけてくれることでしょう。

 行動となって現れないような思考は無用であり、時には有害でさえある。土光敏夫

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