スタッフ通信


VOL.13 2008/01
リクルート!?
 職を変えるというのは一体どういう事なんだろう? 
人が職を変える時、どうしようもない理由があるのは事実でしょう。しかし最近では単純に、または安易に職を変える人が多すぎると思いますね。特に私達の飲食業はその極端な例であるとも言えるでしょう。20代も前半ならまだわかりますね。人生の方向性を模索しているんだなぁって百歩譲ってそう思います。しかし20代も半ばを過ぎた時、職を変えるというのは一体どういう事なのか、深くそれを知る必要があると私は思います。
 キャリアアップという言葉があります。わかりやすく言えば職を変えるたびに能力を高め、ギャラを高め、人生を高めていく事を言います。どうせ職を変えるならそうありたいものです。少なくとも今居る場所よりもすべてにおいて上を目指したいものです。
 マスコミや企業はリクルートとかの軽い言葉を使い、転職について好印象となるよう、巧みに映像を使いドラマやCMなどでコミカルに演出し、さも職を変える事が明るいようなイメージを私達に植え込もうとします。でもね、騙されてはいけません。それは終身雇用制度の維持が困難になり、完全実力主義で使い捨ての人員を利用したいと考える企業側の戦略に過ぎないのです。これにより若者は安易に職を変えるようになり、就職誌は売れ、企業は無責任に人を雇用し、使い捨て、派遣業は興盛し、ネット難民と呼ばれる人は増え・・・。
 思うんです・・・。職を変えるとは一体どういう事なんだろうって・・・。
 今の仕事に不満があり、環境がその原因であると感じた時、安易に職を変えたとしても何も変わらないでしょう。自分の中での変革がなければ、職場を変えても景色や人の顔が変わるだけで、後は何も変わらない。そしてまた暫くの期間が経てば、新たに不満は芽生え、再び職場が変わっているだけなのです。そしてこの繰り返しが続き、何の成長もなく、マスコミや企業エゴの犠牲になる・・・。
 働く場というのはね、自己で改革し、自己で是正し、自己でその思いを吹きかけなきゃ何も変わらないのです。安易で単純にその職場から逃げ出したりしても、それは時間の浪費に過ぎず、また同じ事が繰り返されるだけなのです。
 当社は人の流動が激しい飲食業において実に離職率の低い会社です。わかりやすく言えば、人が辞めない優秀な会社ですって事です。全国的な数値を見ても明らかなのですが、しかし現実には年に数人の人が退職していきます。そんな状況を見て私はいつも心配でなりません。うちにいた時よりも幸せになってくれる離職ならいいのです。会社には皆を雇用し幸せにするという責任があると私は考えています。だから余計にそう思うのです。
 私はこれからも良き会社や良き店舗をみんなと作っていく事でしょう。近い将来に、ああ、こんなにもいい場所が作れたのかと、みんなでそう感じる時がきっと来るでしょう。
 アナタは職を転々として来ましたか? もしそうならこう考えてみて下さい。今あなたは最良の職場に出逢ったのです。万が一、今の場所に不満や疑問があるなら、そのひとつひとつに対して、自分と周囲を巻き込んで改善してみて下さい。時間と共におどろく程に環境は変わり良くなる事でしょう。当社はもとからそういう会社であり、それが社風でもあるのですから。
 みんなの生活を今年も心から守り通したい! そのためにはみんなに今以上に動いてもらわねばならないのです。なぜなら今いるその店は、みんなが作るみんなの店なのです。それをお客様は心から望んでいるのですから。

 自分から逃げれば逃げるほど、生き甲斐も遠ざかる。        淡谷のり子

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