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スタッフ通信
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VOL.11 2007/11
お客様に感動を!
顧客満足度調査の評価基準としてよく出てくるのが、感動と満足の違いです。では一体お客様は私達のお店を評価する時、最低の段階から上へと、どんな順に評価していくのでしょう? これはいつもミステリーショッパーズで目にしている評価基準で見ていくといいでしょう。不快、一部不快、満足、感動、と評価基準の中にはあります。ではその基準項目の意味を分解してみましょう。
不快と一部不快ですが、これはもう話になりません。このような評価を頂いた場合、その店舗そのものの存在に対しての疑問符が発生することになるでしょう。お客様から御代を頂いた上にお客様を不愉快にさせる店舗というのは、その営業をやめた方がいいって事なのです。
通常はその後に、普通という評価基準があってもいいのですが、この普通というもの程怖いものはありません。そもそも普通って一体何だろう。最も曖昧な普通という評価は、言い換えれば、良くもなく悪くもなく、という事になるでしょう。よくこれを普通の不出来と言ったりします。つまり飲食業では普通という評価は、一部不快であり満足であるかもしれないという、実に曖昧で、特徴のない評価をお客様が行ったという事なのです。それは言わばお客様の記憶に残る事もなく、次の来店につながるどころか、店を出た瞬間から私達の店は記憶の彼方に押しやられてしまうのです。そういう意味ではまだ、お客様を不快にさせたほうが記憶に残る分、ましなのかも知れません。非常に乱暴な言い方ではありますが・・・。
では次に満足と感動の場合はどうでしょうか。実はここに明らかな違いがあるという事を私達は知らねばなりません。具体的な数値をあげて説明すると、満足と感動の違いの大きな部分は、再来店率の差です。通常、満足と答えたお客様が再来店する確立は約20%と言われています。しかしこれが感動したと答えたお客様の再来店率は急に伸び、約60%に近くなるのです。良くも悪くも私達の記憶は日常からかけ離れた、あまり経験したことがない場合に非常に強く働きます。危機的状況で死に直面するネガティブな場合と、天国にも昇るような心地良いポジティブな場合の両極を振り子として、日常に近づけば近づくほどに、記憶の作用というものはその働きが鈍くなります。家を出る時に鍵をかけたかどうか? これはあまりにも日常すぎて記憶にすら残らない状態の端的な例です。ちなみに利き腕とは違う手で鍵を閉め、その後に一人で「出発進行〜ッッ!」と言ってみて下さい。これは帰るまで必ず記憶に残ります。そういう意味では、お客様が言う感動とは言わば、非日常のサービスの提供であり、満足とはすなわち日常に近いサービスの提供なのだという事を知っておく必要があるって事です。
私達は接客業でありサービス業です。それは言わば、ある種の感動をお客様に提供する使命を持った職業である、という事を理解する必要があるのです。
では感動とは一体なんでしょうか? アナタは今までの中でお客様に感動を感じてもらったことってありますか? 感動とは言わばサプライズで、直訳すると、驚き。仰天。とあります。つまり良き事に対するサプライズはお客様にとっての感動となり、その感動を感じたお客様を知った時、厨房やホールの垣根なく、飲食業というものの醍醐味が、存分に味わえる事となるでしょう。お客様に感動を! その時アナタは心の成長を遂げると同時に、自分自身もお客様と同じように感動している事に気付くはずです!
一生を終えて後に心に残るのは集めたものではなく与えたものである J−シャンドリ