スタッフ通信


VOL.10 2007/10
辛さの中にある楽しさ・・・
 楽しいって一体なんだろう? 楽しいって一体どういう思考回路で感じるのだろう?
実は、人が楽しいと感じるのは、楽しいと思わせる周りの人が楽しいからなのです。
もし、ある人を楽しませてやろうと企画を練った時、その人は楽しいと思わせたいある人の心を思い浮かべながら、企画を練るはずです。そしてその時、楽しいと感じているのはある人ではなく自分自身なのです。もし自分が楽しくないなら、その企画は実現されないはずですよね。
 つまり人を楽しいと感じさせる事は、自分自身も楽しいと思っているって事なのです。
 今、アナタはお店の中において、楽しいと感じる時が一体どれくらいありますか? そりゃあ楽しいばかりが仕事ではありませんよ。でもね、飲食業というものは、人を幸せにし、人を楽しいと思わせる職業なのです。だからそこで働くあなた自身が、楽しいと思わないってことは、お客様もきっと楽しいと感じていないはずです。
飲食業とはお客様の楽しいや嬉しいを実現することで、自分自身も楽しいや嬉しいを感じる職業なのですよ。
 雪の積もった冬の夜、とある居酒屋さんに3組6名のカップル様が来られました。そのお店の女性スタッフは、こんな雪の日に3組もお客様が来てくれたと喜んで、店長にある案を持ちかけました。店長もその女性スタッフの案に嬉々として賛同し、二人はグラスの中に外の雪を入れ、その中に100円均一で買った小さなろうそくを入れて火を灯し、3組のお客様のところにもって行きました。彼女は「こんな雪の日に来てくれてありがとうございます」と、それをテーブルの上におきました。なんの日でもない、ただの雪の日・・・。でもお客様は大変喜んで、ニッコリ・・・、雪の降る、のんびりとした営業の中で、料理長は既に小鉢のサービスを作ってくれていて、それをみた店長もニッコリ・・・。小鉢はお客様のテーブルに届けられ、寒い冬の日のこころまでもあたたかくして、みんながとっても楽しく幸せになった瞬間でした。
 この話はみんなのよく知っているお店で実際にあった出来事です。
 雪の降る寒い日の、3組のお客様に対して、たった3組のお客様しか・・・、と思うのか、こんな日にわざわざ来てくれた大切な3組のお客様、と思うのかは、アナタの心が決めることですが、どうせなら楽しいなと感じる時間になったほうがいいなぁと思うのはとっても自然なことですよね。
 働いていると、その空間や、状況や、環境に、知らず知らず埋もれてしまい、自然で大切な何かを失いかけてしまうことが多々あります。そんな時にはぜひ先ほどのエピソードを思い出して下さい。そして飲食業というものの醍醐味を積極的に感じて欲しいのです。
お客様を楽しく幸せにするって事はホント大変です。美しく舞い上がる花火の下では花火師達の必死の活躍があるし、子供達に笑顔で風船をプレゼントするミッキーの中では汗だくのスタッフがいるのです。でもね、心の中に大切な何かが残っていれば、やりがいがあり、充実した達成感が仕事の後に残るものです。言わばそれは楽しいって事であり、その楽しいがお客様にも伝わり、幸せで心地よい「楽しい」時間を創造し追求することにつながるのです。
アナタは日々の仕事の中で埋もれてはいませんか?一度素直な気持ちになると、今まで見えなかった何かが不思議とたくさん見えてきますよ。飲食業とはそういうものなのです。

人間はそこにある幸福を見ようとしないから不幸を感じるのである。ドストエフスキー

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