■■■■■
スタッフ通信
■■■■■
VOL.7 2007/07
美味しいはニッコリにつながる
雪印、日本ハム、不二家、ミートホープ、等々、いいあげればキリがなく、食の偽装事件は次から次へと後を絶ちません。大手百貨店ではお惣菜の賞味期限のシールを何枚も貼り重ね偽装する始末。一体どうして? すべて年商何十何百億の大企業が起こした偽装事件です。そんなに大きな会社で一体なぜに?
我々の仕事は上記の偽装会社と違いサービス業ですが(偽装会社は製造業・加工業・販売業でありサービス業ではありません)、食に携わる者として決して対岸の火事ではなく、身を律しなければならないと思っています。しかし、でも、なぜに? そのような大きな会社で理解できないような一連の事件が起こったのでしょう。
私は安全で安心、尚且つ、より美味しいお料理をお客様に食べて頂きたい。そこにはいつもみんなの温かな心がこもっていて、お客様の心をより豊かにさせる。そんな営業が出来れば、そんな居酒屋やレストラン業が出来ればと、いつも考えています。みんなが毎日朝礼にて復唱している会社の礎「美味しいはニッコリにつながる」は、そんな意味が込められています。
私達は美味しいものを提供する為にはどんな努力も惜しまないつもりです。そして私達は利益だけを追求する会社では決してありません。そりゃぁ企業だからみんなのお給料を払わないとダメだし借金も返さなきゃならない。だから少しは利益を出さなきゃならない。でも食を偽装し、お客様を欺き、人を不幸にし、周りに迷惑をかけるくらいなら、企業は潔く自己倒産したほうがいいのです。そこに企業価値はないのです。我社の経営理念「利益追求よりもたくさんの笑顔としあわせをひろいあつめていく」に反するくらいなら、商売をする意味もなく、やめてしまったほうがいい。私はそう思っています。
食を提供する側の責任者である総料理長を始め、各店の料理長・店長はその事をしっかりと胸に刻んで行動しています。私は皆を心から信頼していますので、当店の提供するものについては絶大な自信を持っています。お客様の「美味しい」の声が料理に携わる者の最大の賛辞であり、万が一お客様の笑顔を忘れて作る料理なら今すぐに包丁を置いてもらいたい。そういう意味では当社の厨房スタッフはこれほどまでに信頼できる布陣はないと考えています。
しかし万が一、皆がお客様に運ぶその料理に疑問や質問があれば、どうかすぐに私に報告を下さい。私に言うのが嫌なら総料理長や料理長、店長に必ず報告や相談をして下さい。当社の提供する料理は美味しく安心できるものです。日々キッチンにて努力を重ね、愛情を込めて作っている。すべての料理に対して責任と誇りを持って作っているのです。
私達の料理は販売業や製造加工業によくある調理や製造ではなく、食べる直前まで人の手が込められた愛情の形なのです。それがサービス業というものであり、対お客様と心を通じることが出来るひとつの証、それが当店のお料理なのです。
私はこのスタンスを何としても守りたい。美味しく安く、安全で安心し、自信を持って提供できる、そんなお店のスタンスを何としても貫いていきたいのです。
人に喜んでもらえる。そしてそれを嬉しいと感じる。それは人の本能です。その大切な本能を、自らの保身や、私利私欲や、エゴや、歪んだプライドや、人間関係や、生きた年月の中で、覆い隠すことがないような、そんな素直な生き方が出来れば、この世は実に楽しく心地いいものであるのかもしれないと感じた一連の事件でした。
国不潔な工場に善良な職工なし。汚れた精神に崇高な製品なし。 ヘンリー・フォード