教育監査の
コラム


VOL.279 2016/03/16

学生から社会へ出たときの大きな違いの中の1つに「敬語」があります。

敬語の習得には、ちょっと時間がかかります。

慣れれば簡単なのですが、それには経験量が必要です。

最初から完璧な敬語を話そうとすると、慣れていないため、話し方が不自然になってしまいます。

たしかに、コミュニケーションは大切です。

相手のほうが地位が上の場合、敬意を意識したコミュニケーションが必要になります。

「敬語」という字は「敬意を払う語」と書きます。

相手に敬意の念を込めて使う言葉が「敬語」です。

とはいえ、これがそう単純でもありません。

私も20代になって分かったことなのですが、完璧な敬語を話されると、実は結構困っちゃいます。

話しにくいんです。

若い人でも、敬語がホントに上手な人がいます。

「どこで、誰に習ったんだ?」と思うくらい上手な人がいますが、実は、逆にコミュニケーションが取りにくくなる時があります。

堅い敬語は、堅い雰囲気になってしまうんです。

円滑にコミュニケーションすることは、とっても大切です。

しかし、敬語そのものが、時には「円滑さ」を妨げてしまうときがあるんです。



「敬語は、本当に難しいなあ」と、よく痛感します。

話せれば良い、という問題ではないんです。

これまでに、たくさんの大人の人と出会いました。

当然大人には、敬語で話すのがマナーです。

それで、私が堅い敬語で話すときによく言われました。

「そんな堅い敬語使われたら、なにも話せない」と、言われるのです。

だからとはいえ、軽い口調で話せば「偉そうに」と言われます。

私は困りました。

「日本語は、難しいな」と思いました。

その時、別の大人の人に相談すると「丁寧に話せれば、それでいいんだよ」と言われました。

相手に対して、丁寧になる。

それが「丁寧語」です。

初対面の相手に対しては、丁寧になることです。

丁寧は、失礼ではありません。

マナーの基本は「相手の気分を害さないこと」です。

たとえ敬語でも、固すぎて相手の気分を害してしまうと、マナー違反になります。

だからこそ、敬語習得の前に、相手に丁寧になる言葉を話せるようになるだけでうまくいきます。

丁寧に話せるようになってから、敬語を使えるようになるのが正しい順番です。

「お話をされたことがおありなのですか」より「お話をされたことがあるのですか」のほうがいいと思います。

「今日のご予定をお聞かせ願います」より「今日の予定を教えてください」のほうが普通に丁寧な印象を受けます。

「先日は押し付けがましくお伺いし、申し訳ございません」より「先日はずうずうしく尋ねてしまってすみません」でいいんです。

柔らかい丁寧語のおかげで、相手も返事がしやすくなるんです。


尊敬語・謙譲語・丁寧語。

まずは丁寧語から始めてみませんか(*^_^*)?

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