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教育監査の
コラム
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VOL.258 2016/02/24
「目標」と「目的」は、似たような意味を持ちながら、実は別物。
目的が「最後のゴール」だとすれば、目標は「その前に立ちはだかるたくさんのハードル」なんです。
1つハードルをクリアすれば、また次のハードルがあります。
次々とハードルをクリアしていくことは、「目標を達成していくこと」です。
小さなハードルでも、それを乗り越えれば、確実に最終的なゴールである目的に近づけます。
走っている本人がしっかりゴール(目的)を意識し、そこに正しく近づくために、目の前のハードルを乗り越えているからです。
ゴールを意識せずに、ただやみくもに走っていたのでは、いつまで経ってもゴールにはたどり着けない。
人生も同じです。
今、目標を飛び越える前に、まず「向かうべきゴールを設定」しなくてはなりません。
進む前に、進む方法を定め、この目標は本当に目的に近づいているのか?を今一度見直してみる必要がある。
あなたにとっての人生の目的とはなんでしょうか。
幸せな人生を決める決定的なポイントは、どこにあると思いますか?
それは多分「死の瞬間」です。
人生の最終地点とは死の瞬間。その瞬間から逆に遡って「今」を考えていく必要があります。
「いい人生だった。よい人間関係に恵まれたし、自分の人生は幸せそのものだった」
人間は誰でも、死の瞬間に思い残すことなく、この世を去りたいと思います。
死の瞬間に自分の人生を振り返り、本当によい人生だったのかどうかを判断します。
幸せだったかどうかを判断するのは「死の瞬間」に分かることなんです。
「死を考えるなんて、縁起が悪い」
そんな声も聞こえてきそうですが、そんなことを言う人は今しか考えていない視野の狭い人だと私は思います。
視野が広い人は、自分はいずれ最後は死ぬことも分かっていて、それを視野に入れた上で今を生きている。
若かろうが大人だろうが、いずれにせよ、最後には死ぬ、ということは曲げようのない事実なんです。
すべての人は、人生の最終地点として、死の瞬間から考える必要があると思う。
ほとんどの人が「今→死」の順番で、人生を設計しようとします。
でも、本当の幸せな人生設計は「死→今」というふうに、死の瞬間から今に遡り、考えていく必要があるんだと思う。
現在から未来を考えるのではなく、「未来から今現在を反対方向で見ていく」んです。
未来とはいつのことを指すのかというと、それすなわち、死の瞬間です。
死の瞬間に、心から喜べる人生だったと思えるような人生を、死の瞬間から逆算して今を作っていく必要があるんです。
よい人生を考えるには、今現在から考えません。
今現在のことばかりにとらわれていると、目の前の欲や、やるべきことを間違えたりしてしまう。
見栄を張って一軒家を買ったあげく、何十年ものローンの返済に苦しむ未来になる。
肩書や地位を追いかけて仕事をした結果、健康を崩し、入院してしまう未来になってしまう。
既婚であるにもかかわらず、不倫をして、家族崩壊という未来につながってしまう。
今を中心に見るということは、人間でいう「主観的」になっているという状態です。
周りが見えなくなり、正しい判断が自分ですら、分からなくなります。
でも、未来から今を見ると「客観的」になることができます。
人間の人生の最終地点は、死の瞬間です。
死の瞬間から今を考えていると「これは自分の幸せにつながる道ではない」と、客観的に判断ができるようになります。
死の瞬間を視野に入れて考えることが大切です。
この世から去る瞬間に「なんて幸せな人生だったのだろう」と心から思える人生を送れるような人生でありますように。