教育監査の
コラム


VOL.157 2015/11/15

パン屋さんの中には、時々前日のパンを袋に詰めて安く売ってい るお店を見かけます。

捨てるにはもったいない。十分食べることはできます。お客さんもそれを納得して買うのだから、なんら販売 することに問題はありません。

でも、せっかく看板に「焼きたて」と書いてあるのです。「焼きたて」がそのお店の売りだとしたら、「こだわり」は、どこに置き忘れてきたのかと思ってしまいます。

不況知らずの東京ディズニーランドでは、今やリピーター率が98%。

つまり、一度行くとほぼ全員が、また行きたくなるというわけです。ディズニーランドに限らず、人気のお店、会社に大切なのはリピーター、つま り「ファン」の数です。

住宅や結婚式場であれば、本人は一度きりでも友人に「あそこはいいよ」と 言って下さるファンがどれだけいるかと言うことです。

ではファンは、そのお店の、その会社の、その商品のどこが気に入っているんでしょうか。

それは「こだわり」です。

美味しい料理を出すお店はどこにでもあります。でも「こだわり」はそのお店にしかない固有のものです。
「あそこのお店は○○産のものしか使わないんだって。だから美味しいよね。」

実際、ほとんどのお客さんは ○○産であろうが△△産であろうが味の違い など判りません。

でもその「こだわり」がいいんです。それだけでより美味しく感じる。

東京ディズニーランドは、乗り物を売っているのではなく、夢を売っています。

そのために、園内からは現実的なものを徹底的に排除しています。お酒は置かないし、自動販売機もない。ゴミ一つ落ちていない。
周りのホテルの高さ制限もしています。

シンデレラ城を見上げたら、その背景にホテルの頭が見えたらそれだけで 現実に引き戻されるからです。

これが「こだわり」です。
さあ、皆さんのお店の「こだわり」は何ですか?

あるいは皆さんが、接客に携わる方であれば「○○さんのお客さんになりたい」とお客さんに言って頂ける、「あなたにしかないこだわり」を持っていますか?

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