教育監査の
コラム


VOL.139 2015/10/28

先日、ある美容院で、お店の椅子の色を黒から新しく白に替えました。

「白い椅子は思ったより手入れが大変ですね」と美容院のスタッフ。

これを聞いて「じゃあよかったですね」と言える人は一流のサービスマンです。

二流のサービスマンは、薄い色から濃い色に替えてしまいます。濃い色は汚れが目立たない。その分、手入れも楽だからです。

汚れが目立たないから手入れもしない。

でも、日々少しづつ汚れは進行しています。

問題は、『スタッフがその汚れの進行に気づかない』ことです。

なぜなら昨日と今日の汚れの違いなど、見てもほとんど判りません。

それはちょうど、『人間が日々歳を取っていても自分では判らない』のと同じです。

ところが「あれ、最近ちょっとこのお店汚れてるんじゃない?」と、お客さんにはすぐにバレてしまいます。

「たまにしか来ないから目立つ」のです。

でもお客さんは「汚いよ」とはいいません。

『何も言わずにドンドンとお客さんは離れていく』のです。

あえて汚れの目立つ色を選ぶ。

そうすることで汚れに敏感になります。

サービスとは、「変化に気づくこと」です。

汚れに敏感になるということは、「感度が磨かれる」ということなのです。

もうひとつ、イケてない飲食店には2つの特徴があります。

・欠けた食器を出すところに、サービスのいいお店はまずありません

・欠けている食器を使っているお店ほど、むしろ、割れ難い丈夫な食器を使っています。

あなたは、欠けた食器をお客さんに出していることに気づいていますか?

「ちょっとくらいしょうがないよ」と思っていませんか?

確かに、欠けたからといって、いちいち新品に換えていたら経費がかかって大変です。

ただ、ここで一番の問題は、経費がかかるから新品と交換できないことではありません。

そもそも、食器を大事に扱わない、その『気づかいのなさ』にあります。

「丈夫な食器だから、多少手荒に扱っても割れないだろう」という考えが、ますます扱いを雑にさせてしまうんです。

食器に神経が配れない人は、お客さんにも神経は配れない。

食器は雑に扱うけど、サービスは一流ということはないのです。

平気で欠けた食器をお客さんに出すことは、「お客さんへの気配りも二流なんです」と自ら白状しているのと同じなんです。

汚れに敏感になろう!

欠けた食器をお客さんに出さないようにしよう!

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