教育監査の
コラム


VOL.137 2015/10/26

とある場所での会話。

「スゲー!お前150件も入れてるん!?オレなんか、まだ50件くらいなのに・・・」

「んなことねーし!○○君なんかもっとすげーし!」

携帯電話に、友人の電話番号をどれだけ登録しているかという高校生の会話です。

携帯電話の登録に限らず、名刺でも同じです。ほとんどの人は、自分が持っている「リストの数」を問題にします。リストが増えれば増えるほど、友人知人が増えたような気がします。

リストが200件、これスゴイことですか?500件だったら、人気者でしょうか?

そんなことはないんです。

大事なのは、自分のリストが増えることではありません。

あなたが携帯電話に「何人登録しているか」ではなく、あなたの名前を「登録してくれている人が何人いるか」

その数が本当の、友人知人の数なのです。

リストを増やす努力より、あなたをリストに入れてもらえる努力をする。

これが、「出会いを大切にする」という事です。

じゃあ、これを商売におきかえるとどうなるか。

「お店、繁盛してますか?」と聞くと、たぶん多くの人は、売上げとか、1日の来客数で判断するでしょう。

この判断は、めちゃくちゃアブナイです。

例えば、売上げが普段1日30万あるお店があったとします。店長は、お店を閉めると1日の数字をチェックするわけです。

「お!今日もなんとか売上30万をキープしてるな」「お客さんの数もまずまずだ」「だから、順調だな」と、安心します。

ところがある時、急にお客さんの数が減ってきた。

そこで、はじめて「あれ?なぜだろう」ということになるわけです。

それでも、ほとんどのお店は本当の問題に気づかない。

チラシを打ち、半額セールをやり、金券まで渡す・・・。

あの手、この手でお客さんに来ていただこうとするのです。でも、どんどん、売上げは減っていく・・・。

ここまでくれば、優秀な店長は何が問題か気づきます。

でも中には、気づかない人もいる。

「不景気やしな。。」とか、今度は環境のせいにする。

これはもう、末期症状。なんともなりません。

一番はじめに、携帯電話の話をしました。リストを増やす努力より、あなたをリストに入れてもらえる努力をする。これが、「出会いを大切にする」という事だといいました。

今日、初めて来て下さったお客さん。

これは1つの『出会い』です。

その日に100人来れば100の出会いです。

でも、この100の出会いは、交流会で100人の人と名刺交換しただけと同じなのです。

あなたがいくら、その名刺をもとに、リストを増やしても、何の意味もないんです。

大事なことは『相手の人が、あなたのことをリストに入れてくれるかど
うか』です。

じゃあ、今日来てくれたお客さんが、あなたのお店をお気に入りリストに入れたかどうかを、どうやって調べるのか?

カンタンです。

お店に来て下さるお客様の「顔ぶれ」を見るのです。

例えば満席で50人入るレストランがあるとしたら、大事なのは満席であることよりも、その50人の「顔ぶれ」です。

お客様の数が同じ50人でも、それが『常連さんの50人』と、『新しいお客様ばかりの50人』ではとんでもない違いなのです。

普通、お客様は、初めて行ったお店が気に入ったら「また行きたいな」と思います。そうすると、そのお店は、だんだんとリピーターが増えてくるはずなんです。

それが、いつもいつも顔ぶれの違う、新規のお客様ばかりだったとしたら、「リピーターが少ないお店」ということです。

「このお店、また行きたいとは思わへんよね」

そういって、お客様のリストからはずされているということです。

人気のお店というのは、お客様が一杯来るお店のことじゃありません。

『常連さんが多いお店』なのです。

お客様の数よりも「顔ぶれ」を気にしていってください。

今日もよろしくお願いします!

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